2022年9月2日(金)
古くなると、値打ちが出て来るもの、味が出て来るもの。
古い帆布のカバン。色あせて、布が少し擦り切れそうでも、とてもいい味があり、販売しているのなら、買いたいと思いますね。
革ジャン。色がとっても重厚なものになる。しわがとてもいい。捨てたくないですね。
神社、お寺にある大きな大木。いつまでも生きてほしいと願います。
まだまだ、ありますよね。
人間は古く(歳をとる)なると、どうでしょうか。
だんだん値打ちが無くなるように、考えられていませんでしょうか。
肌のはり、つやが無くなる。毛は抜ける。しわ、シミができる。
動けなくなる。ボケてくる。一人では生きていけなくなる。だから、値打ちがないのだと。老人は、子供を育てるより手間がかかる。介護している人が、自分の生活を犠牲にしてしまう。
一つの映画が投げかけられました。「PLAN75」です。
「少子高齢化が一層進んだ近い将来の日本。満75歳から生死の選択権を与える制度「プラン75」が国会で可決・施行され、当初は様々な議論を呼んだものの、超高齢化社会の問題解決策として世間に受け入れらた。」
このようなことになるかもしれないと、考える私がいることが恐怖です。
私の好きな女優さんが出ています。吉永小百合さんより好きです。倍賞千恵子さんです。うまく歳をとった女優さんです。演技の幅も広い。若いころの彼女を思い出し、映画のなかの、今の彼女を観ていると、人生はこのように過ぎていくんだと感じます。
シネマのあるショッピングモールで、この「PLAN75」が上映されていたら、観てください。
母は、脳梗塞で倒れて眠ったままの父を、ながく看病していました。私は、最後まで母の世話をしようと考えていましたが、くも膜下出血で、お風呂場で倒れ、あっけなくなくなりました。動物園に連れて行ってほしいと言われていたのですが、いつでも行けると考えて、連れて行かなかったことが悔やまれます
仏壇の引き出しに、遺書がありました。「楽しかったよ。ありがとう。」
今でも、遺書を大切に、残しています。
ここまで、生きてきたことに値打ちがあります。
これからも、最後まで生きていくことで値打ちがあがります。
スケジュールをカレンダーに書き込んでいて、9月19日は敬老の日だと知りました。私の敬老の日は、もういない父母にお礼を言う日です。