2022年7月7日(木)
早い梅雨明けで、今夜の七夕は、星が見えるかもしれませんね。
ユーラシア大陸(ヨーロッパとアジアを合わせた大陸)
その大陸はヨーロッパとアジアに分かれています。面積ではアジアが大部分を占めています。日本もユーラシア大陸に含まれのです。
この地図を見ると、日本はロシアと中国に本当に近いと思われるのではないでしょうか。
ウクライナとは遠いと感じられるでしょう。しかし、ウクライナは日本に近いロシアに侵攻されているのです。ロシアは中国の応援を受けているのです。中国は今、漁夫の利(二者が争っている隙に、第三者が利益を横取りするたとえ)で、ほくそ笑んでいるのです。
この二つに国が、日本の近くにあるのです。
ウクライナとロシアの話をしようとしているのではありません。
ただ、最近見た映画に話をしようと思っているのです。
第二次世界大戦中の1941年から44年にかけて、フィンランドとソ連の間で戦われた戦争を描いた映画の話です。
1939年から40年にかけて、ソ連に侵略されてフィンランドは敗北して、領土を奪われます。
1941年にドイツがソ連へ侵攻すると、フィンランドはドイツ側に加わり、ソ連との戦争を再開しました。失った領土を取り戻すためです。
ヴァイニョ・リンナという作者本人が経験したフィンランドの戦争の戦場の実相を赤裸々に描いた小説「アンノウン・ソルジャー」を映画化したものです。
タイトルは「アンノウン・ソルジャー」2017年作品 フィンランド作品です。
フィンランドは400万の人口に対して50万の軍隊を組織して、ソ連に戦いを挑みます。
フィンランドの旧国境を越えることで、ソ連から侵略者とされます。ソ連の反撃にに対して、再度フィンランド軍は、戦力の劣勢さで敗走します。
旧国境を越えて、1940年のソ連に敗れたときの国境まで引きかえします。ここで、最後の戦いが始まるのです。
激しい戦場描写、敗れたものの屈辱、占領された地の悲劇、いとも簡単に死ぬ兵士、軍隊の組織の現実などが描かれます。
国を守るのはどうしてなのか。各々の兵士は、それぞれの大切に思う人のために戦っているのです。領土拡大の侵略ではありません。
国境の杭が建っているのが、驚きでした。フェンスで国境が決められているわけではないのです。どこからでも、国境は越えられるのです。
日本は、海に囲まれているから、簡単に侵略されないように思われています。本当にそうでしょうか。
日ソ不可侵条約を破られ、突然参戦して攻撃された体験をしている、日本国民はまだいらっしゃいます。領土を広げるため攻撃を受けたのです。最終目的は、北海道だったのかもしれません。
現在の日本に、どこかの国が侵攻してきたら、私たちはどう戦うでしょうか。どこへ、どのように避難しますか。防衛の方法を知っていますか。ないも知りません。それでいいのでしょうか。
怖くなります。
無ければ、作らなくてはいけません。
ウクライナは、100年以上、侵攻したロシアを許せないでしょう。
この映画を見ることで、なぜフィンランドとスウェーデンがNATOに入ることを決めたのかは、理解できると思います。信用できない国と対するときは、信用できる国と共闘しないと、自国は守れないでしょう。
2時間12分です。倍速でみないで、じっくり見てください。
読売新聞 地球を読む リチャード・ハース 6月26日
この記事の中で、このような部分があります。
外交政策の原則は、相手のえり好みすることでなく、自国の安全保障を優先させる点にある。現実主義が理想主義を上回っていなければならない。
外交政策は、国の価値によって裏打ちされたものでなくてはならない。それが国民の支持を集めるために。そして平和で繫栄し協調的な民主的世界へ導くために。・・・・
私は、国の価値を、日本は、まだかろうじて持っているような気がします。